所有者不明土地の探索の意義

概要

2024年4月より所有者不明探索委員として活動しております。個人情報を多く含むことから調査した土地について多くは語れませんが、その中には思いもよらない発見がありました。それは「講」が所有していたであろう土地でした。

「講」とは、昔ながらの相互扶助のための組織のことです。かつて村や町で生活する人々が集まり、共同で資金を出し合って様々な目的のために土地を所有することもありました。しかし時代が変わり、後継者がおらず「講」という存在自体が危機的状況あるいは無くなり、所有されていた土地も忘れられ、誰も管理していない状態になっていくケースがある様です。

その土地はため池で、少なくとも明治時代では下流の田を潤していたでしょう。ため池は共同で管理され、「講」で結びついた村や地域の人々が共に暮らしてきたことが伺えます。生活や働き方・時代の変化により、脈々と受け継がれてきたものが失われつつあるのは当然のことなのかもしれません。

こういった土地の新たな活用方法はないものか、模索しています。地域の歴史と現在の状況を結びつけ、未来に向けた解決策を見つけることが私たちの使命です。